北軽井沢 虹の街 爽やかな風

「最後は緑豊かな自然の中で心豊かに暮らしたい」という妻に従う形で移住生活を始めた場所は、活火山浅間山北麓に位置する標高1100mを超える厳寒の地。 北軽井沢スウィートグラスというキャンプ場で働きながら最後の人生を謳歌している。一人の老人が経験する出来事をそのまま書き記していきたい。

2010年08月

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わが家には日本一が目白押しである。妻にはじまり息子、娘、嫁、婿、孫娘。
先日、その孫娘がやってきた。2年振りの再会だが、小学校5年生の彼女は身長が150センチを超え大きくなっていた。私の記憶では今度4年生になると言っていたその声が印象的で記憶はそこで止まっていたのだ。
3泊4日という時間はあまりにも短く、「別れは辛いが、その向こうにはまた再会という楽しみがある」。その意味もしっかりと理解出来るようになっている孫娘は、チョット涙を見せたが元気に帰っていった。
 
野菜のおじさんのバイトがあるため、孫娘と接する時間は少なかったが、それはそれでお互いに理解し合え、すばらしい4日間だった。特に最後の日は週に一度の買い物日に当たり、軽井沢のツルヤで買い物をし、お昼にはランチシェフに変身し、得意の?チャーハンを作った。美味しいといって喜ぶ孫娘の顔を見て、こんな幸せを経験できる自分に感謝しなくては、と頬はゆるみっぱなしだ。
 
この度は孫娘にとっても初めてのひとり旅、と言っても来るときは母親に連れられてやってきた。新幹線に乗り軽井沢で降り、それからバスに乗って「すずらん坂」で下車、そこに迎えの妻がいるというスケジュールだ。その日の夜に母親は帰宅し、帰りはいよいよ初体験のひとり旅。
虹の街を妻とふたりで散歩したり、妻が用意していた蔓で籠を作ったり、急いで帰宅した憲爺(孫娘は私をこう呼んでいる)とトウモロコシ、モロッコインゲン、トマト、大根などの収穫も経験した孫娘は、チョッピリ涙ぐんだが、夜9時32分発の新幹線の車内に姿を消した。
 
長い間生きていると、いろいろなことに出会うが、孫娘を見ながら子育てに夢中だった遥か昔を思い出している。人の人生は、その人の数ほどあるに違いないが、幸せを掴んだなと感慨深い。
 
9月末まで休みなく続く野菜のおじさんも、今日はプリンスランドオーナズ会の総会・懇親会のため唯一休みをいただいている。
昨夜は久しぶりにホテル1130の鬼押し温泉で体を休め、今日は有意義な一日をたっぷりと楽しむことが出来た。
また明日から野菜のおじさんとなり、草津の街をチョッピリ明るくしたいと考えている。
 

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梅雨明けの空はどこまでも青く、大好きな白い雲は太陽の光線を吸い込み美しく輝いていた。7月18日野菜直販店のオープンの日はついにやってきた。
プリンスランド正面玄関を出ると少しアップダウンのある直線コース、緑のトンネルが出迎えてくれる。思えばこの道は初めてのアルバイトを始めたとき、真っ白い雪に覆われていた。以来通い慣れた道に愛車ニュービートルは、エンジン音も快適に、そして弾むように緑のトンネルを駆け抜けていく。
店のオープンにあわせそれを歓迎するかのように晴れわたる空は、心にくっきりと素晴らしい思い出として刻み込まれた。
 
冬にスキーレンタルショップだった場所は、直販店の野菜集積基地に変身している。コンテと呼んでいる箱形の入れ物を4段に重ねずっしりと重い野菜の積み込みは難なく済んだ。高くシートを掛けた軽トラックに野菜を満載して出発した。国道144号線から草津へと行く近道がある。いきなりの急な上り坂を苦しそうなエンジン音を響かせながらトラックは進む。左側に小さな川を見ながら森の中へどんどんと入っていく。太陽の日差しは完全に遮断されひんやりとする森の中を進んでいくと、時折梢の間から木洩れ日が現れる。
 
何と気持ちのいい道なんだろう。森を抜ける最後のカーブはセコンドにシフトダウンして唸りながら駆け上がると、そこはまったくの別世界。左右に大きく広がるキャベツ畑とトウモロコシ畑がどこまでも続く。進む方角が真東となるため太陽の強い日差しが容赦なく照りつけ、思わずサンバイザーを下ろす。
200mほど進むと直角に左折し、今度はその強い光は右の頬を照らす。しかし、限りなく続くキャベツ畑を走る軽トラックの窓辺には爽やかな風が微笑みその強い光を和らげてくれた。
 
遥か彼方の山々の稜線は、青空と白い雲に付き添われその美しさをひときわ際だたせている。ぐるりとキャベツ畑に囲まれた嬬恋村村長宅を右手に見ながら進んでいくと、畑ではキャベツの収穫作業が行われている。清々しい空気を感じながら車は県道59号へ出る。そして嬬恋村に別れを告げ、草津町に入るがしばらくして左折すると国道292号。草津温泉に近づくとメロディロードが草津節で迎えてくれ、いよいよ野菜直販店に到着する。所要時間はわずか20分。何度もカメラを向けたい衝動に駆られながらあっという間の行程だった。
 
時刻は7時40分。この日のオープンを待ちかまえていた数名の客は、商品を並べるのを待てないで、車に殺到してきた。
今ではすっかり「野菜のおじさん」になっているが、「野菜のおじさん」の第一声は「チョット待った待った」になってしまった。
150本のトウモロコシ、キャベツ、トマト、キュウリなど午前10時半頃には売り切れとなった初日だが、ブログフレンドのオサジイさんが駆けつけてくれたのには感激した。そして翌日には夫人同伴で再度訪ねてくれた。
 
最初の写真は、彼が私のカメラで撮ってくれたものだ。早いもので8月になった今日で15日の日にちが過ぎている。そして、すでに多くの常連客と冗談を飛ばしている。電話での予約もたくさんあり、今のところ順調に滑り出した野菜直販店の仕事もかなり慣れてきた。午後3時に店を閉じ、帰社してからモロッコインゲンとキュウリの収穫をし、明日の準備をして帰宅すると午後8時。
殺人的なスケジュールをこなした2週間は、さすがに疲れたが、今は収穫作業はなく、午後4時過ぎに帰宅しているので、随分と楽になった。
 
わずかな時間に、数々のエピソードも生まれているが、種まきから収穫までも天候を気にしながら大変な作業を重ね、その大切な野菜を現金化するのが販売。
しかし、扱う金額は100円単位で、一番高価な価格がトマト一袋の350円。
一日に数万円を売り上げるのでさえ大変だということを知った。
 
久しぶりのブログ記事を書きながら、感慨深いものがあるが3年目に入った移住生活も新しい経験をしながらも大きな転換期となっている。
しかし、この広大な自然の中で暮らせる幸せはなにものにも変えがたく、人生最後の生活の場として申し分のない場所に違いない。
 

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