北軽井沢 虹の街 爽やかな風

「最後は緑豊かな自然の中で心豊かに暮らしたい」という妻に従う形で移住生活を始めた場所は、活火山浅間山北麓に位置する標高1100mを超える厳寒の地。 北軽井沢スウィートグラスというキャンプ場で働きながら最後の人生を謳歌している。一人の老人が経験する出来事をそのまま書き記していきたい。

2011年02月

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2月の最終日は雪になった。今日は素直に雪のお話しをしよう。朝起きると予報通り雪だったが、積雪3センチと予想外に少ない。しかし、月曜日なので郵便屋さんが2日分の新聞を配達してくれる。それに、今日は温泉へ行く日なので、ひとまず雪掻き作業は必要だった。
雪が小降りになったところで雪掻きをしたが、その後断続的に降り続いた雪で雪掻き作業は二度ということになった。
 
雪の中をリスがやって来る。先日分かったのだが、リスは2匹いることを確認した。餌台で食べていたリスともう一匹のリスが入れ替わる場面を目撃できた。夫婦か親子かは定かではないが、今年も2匹で餌を食べに来ていることが判明した。
 
今日の雪は少し湿り気のある雪で、雪掻き作業は力がいるが、景色としては一段と美しい。湿り気があるため木々の枝にしっかりとくっついて離れないからだ。ふわふわの軽い雪の場合、すぐに枝から落ちてしまうが、今日の雪は枝にびっしりとついて離れない。まさに枯れ木に白い雪の花が満開だ。最初の冬にこの雪景色を初めて見たとき、あまりの素晴らしさに感動し熱い想いがこみ上げてきたことを思い出す。ぐるりと見渡す景色が全て雪・雪・雪・そして、歩いても歩いても美しい景色ばかり。無我夢中でカメラのシャッターを押しまくった想い出は、忘れることが出来ない。
 
1130鬼押し温泉へ出かけた。ホテルの中庭の池の氷は溶けていたが、この雪景色も素晴らしい。もしも貸しきりなら露天風呂の雪景色が撮れると期待していたが、残念ながらそれはならなかった。ここに住んで3度目の冬だが、これまでの経験では積雪40センチが最高だ。気温はとても低いが雪の量が少ないのは助かる。
 
今日は最高気温が0℃くらいだったが、明日は5℃まで上がるという。しかし、金曜日まで雪マークがついている。ここでは、4月でも雪が降ることがあるが、厳しい寒さももう一息と言うところだろう。明日は買い物日。明日もまた佐久まで行くことになっている。新雪を被った浅間山に出会えるのが楽しみだ。
 

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10日ほど前に一通のメールが届いた。それは、2月26日、27日の予定で軽井沢方面へ行くので私のところを訪れたいという内容であった。そして昨日訪れたその人は、昨年6月に北軽井沢の麦小舎で会ったOさん。
 
その出会いの経緯は昨年6月22日のブログに書いた。
 
昭和58年生まれ、今年28歳になるOさんは、「Japanist」という雑誌の編集に携わっているが、この度は休暇で 長野県松本市 へ行く途中で、訪問してくれた。昨年の6月、彼に会って以来、私たちは「Japanist」の愛読者になっているが、22歳で炭焼職人になったという原伸介のエッセイを興味深く読んでいるので、彼の話を聞いたり、軽井沢高原教会から現在の仕事に移った経緯を聞いたりと、話しは盛り上がった。
 
我が家の宇宙人も(最近、いつの間にか、すらすらと妻をこう呼ぶようになっている)ことのほか話しが弾み、得意の宇宙遊泳話法は絶好調であった。彼からいただいたお土産は、宇都宮で和菓子を作り続けて120余年という高林堂の生サブレ「とちぎ日和」とイチゴ大福。イチゴ大福は撮影を忘れていち早く胃袋におさまったが、ほっぺが落ちるほどの美味であった。
約3時間、28歳という自分の子どもたちより若い青年との会談は、久々の新鮮さもあり、楽しいひとときであった。
 
創刊8冊目となる「Japanist」で彼が担当した記事の一つに「旨い純米酒を求めて」というのがある。それは、「Japanist」のコーディネーターを務める前 横浜市 長中田宏が 栃木県宇都宮市 白沢町にある井上清吉商店を取材した様子を記事にしている。
 
その記事を読んで「日本酒」について、まったく無知であった自分がわかった。ここで「日本酒」を語るという大それた事は出来ないが、「日本酒」には長い歴史があり現在のような種類が出来ていることや、純米酒とはどういうものかがちょっとだけ理解できた。
 
「日本酒」には「普通酒」と「特定名称酒」がある。
特定名称酒は、三等米以上の白米を用い、白米の重量に対する米麹の使用割合が15%以上の清酒をいい、原料や精米歩合により本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)・純米酒(じゅんまいしゅ)・吟醸酒(ぎんじょうしゅ)に分類される。
「特定名称酒」以外の清酒、すなわち一般に流通している大部分の日本酒が「普通酒」である。
 
「純米酒」とは、白米・米麹および水だけを原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なものをいう。ただし、その白米は三等以上に格付けされたものまたはこれに相当する米を使用し、さらに「米麹」の総重量は、白米の総重量に対して15%以上でなければならない。
 
歴史的には、アルコール添加が義務づけられる前の昭和初期まで、日本酒は純米酒が基本であったというが、そう言うことは少しも知らなかった。
 
外国では、あるワインが評価を受けると、シャトーだけでなくその土地が脚光を浴びる。ならば、日本酒でも同じ事が起こり、栃木の米で旨い酒を作ると、栃木の米や生産者も評価が高まり、関心が集まる。
 
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が、大きくクローズアップされ議論を呼んでいるが、「日本酒」の世界でも世代交代が起こる中で、新しい考え方によりその地域に根ざした独特のものを生み出していくという新しい風が吹いている。
 
日本酒の歴史、酒造りに携わる「杜氏」の歴史は調べれば調べるほど奥が深く、これから飲む酒にもまた新しい興味が湧いてくる。
 
「今度来るときは、原伸介か彼女かどちらかを連れてきます」と、はにかみながら言うO君にランチをご馳走する約束をした。又一人ランチの客が増えたが、宇宙からは異存の声は聞こえない。
走り去る四輪駆動車に手を振りながら、微笑み合う二人はチョッピリ若さをもらった気がする。
 
彼からいただいたもう一つのプレゼント「美しい生き方がここにあります」という分厚い本は、50人の美しき人生が555ページにわたり紹介されている。
人が放つきらめきほど美しいものは、ない。という副題のついた本をさっそくめくっている妻は、すでに何処かへと遊泳しているようだ。
 

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今日も穏やかな天気に恵まれた。朝こそ氷点下8℃だったが、その後ぐんぐんと気温は上昇し、あっという間にプラスになった。ここに来て、いろいろと幸運に恵まれているが、その一つに我が家の立地条件がある。「群馬」と言えば、かかーでんかと空っ風というくらいだから、さぞや強い風が吹くところだろうと思っていた。ところがここで生活してみて強い風を感じることはほとんどない。例外的に台風で一度スゴイ風に出会ったが、台風の場合はどこにいても同じである。
 
しかし、実際には時折強い風が吹く。近くの木々が大きく揺れることで風を感じているが、実際に地上ではそれほど強風という感じはない。それは、まわりの木と盛り上がった土地が防風林となっているからだ。我が家は、南北が道路に面していてその奥の土地は小高く盛り上がり森となっている。そして西側も同様である。東側だけ建築物があるが、現在は誰も訪問しない廃墟となっていて、その後側は同じように高い木々に囲まれている。すなわち、四方を高い木々に守られるように囲まれているため、それが防風林の役目を果たしている。
 
秋の落ち葉には悩まされるが、防風林の役目を果たしてくれているので文句は言えないのだ。
物事にはよいことばかりはない。その防風林は夏には緑の葉が茂り、日傘の役目をしてくれる。
強い日差しも完全に遮断され、快適な夏を過ごせるし、冬には葉を落とした裸木の間から日差しが室内の奥深くさしこみ、明るさと暖かさをもたらせてくれる。
この森は、まさに屋根のない病院と言われる所以である
 
そして、この森は春の山菜、秋の木の実、キノコなどをもたらし、旬の食材を楽しむことが出来るし、小鳥やリスなどの小動物とも出会えるという二重の喜びもある。そのような環境で生活を楽しんでいるが、その上に温泉三昧という付録までついていては、もはや、かかーでんかなどは問題外であり、何も言うことはない。
 

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東京では、春一番が吹いたという。気温も20℃と上がり、4月下旬か5月上旬の気温だと言っていた。こちらでも確かに温かかった。そして少し風が吹いた。しかし、とても春一番とは思えない。午後、1130鬼押し温泉の露天風呂で小さな雨が降っていたが、夕方からは少し雪が交じってきた。南側の屋根の雪がだいぶ溶け、北側の分厚い雪もゆるみ始めたが、どうやら溶けないうちに次の雪が積もるというパターンは避けられそうもない。そして、気温も今夜から下がり、明日の朝にはマイナス8℃の予想だ。
 
さて、リタイア後の生活を、まったく違った場所での移住生活という方法で始めているが、ここまでは何もかも驚くほど順調に過ごしている。この地の特徴は、標高が1100m以上と高く、そのため気温が低いということが一番である。そのために、夏は涼しく快適である。クーラーとは縁のない生活が出来、避暑地としては申し分のない場所。しかし、その裏返しで冬は寒い。
NHKの気象情報では、この 嬬恋村 の気温や天気は分からない。群馬県北部の水上の情報があるが、ほとんど当てにならない。気温は水上よりもかなり低いが雪の量は断然水上が多いのだ。
 
寒いと言うことは、「暖房」が大きな問題になる。我が家では、1階に二カ所、2階にも各部屋に一台ずつFFインバータークリーンヒーターという石油ストーブがある。
これは、「石油ガス化方式」バーナーにより、外気温に左右されずに温めることができ、FF(強制給排気)式だから燃焼に必要な空気を外から取り入れて、密閉された空間で燃焼させ、その時に発生した水蒸気と燃焼排ガスは屋外に排出するので、部屋の中はきれいな温風だけが流れる、という優れものである。しかし、どうしても暖かい空気は部屋の天井付近に上がり足元が暖まらない。
 
1階では、居間、キッチン、ダイニングがワンルームになっているが、そのほぼ中央に暖炉がある。暖炉は、スッキリと壁の中に収まり、ガラスの扉を開いて薪を燃やすようになっていて、ちょっと古風な芸術的な雰囲気があり、薪の燃え具合、また炎を見て楽しむのにも最適であるが、暖炉の全面だけしか温もらないという欠点がある。その点では同じ薪を燃やす薪ストーブの方がはるかに効率よく部屋を暖めることが出来る。
 
そこで「サーキュレーター」なるものを買って見ることにした。ホテルなどでは天井に設置されていて大きなプロペラのような羽がゆっくりと回っているのを見ることがあるが、我が家の場合、天井に取り付ける事が難しいので床置き式のものを求めてみた。
 
サーキュレーターは一見扇風機のようだが、その名の通り空気を攪拌する性能に特化したものである。したがって扇風機の風より直進性が強く、より遠くまで届く。風通しが悪く湿気が溜まりやすい家の恒常的な換気や、部屋の熱のかたよりを改善し効率を上げる目的で使う。
 
温かい空気は上に溜まるため、エアコンやストーブを使って部屋を暖めても、人がいる床に近い場所はなかなか暖かくならないことが多いが、サーキュレーターを使用すると、天井付近の温度と床面の温度が平均でも5℃、最大で10℃違うこともあるという。

暖炉奉行は、今日で4日連続の休業となったが、明日からは、また復活するのでこのサーキュレーターの効果がどの程度なのか楽しみである。
 

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朝の気温はまだまだ氷点下だが、昼間は6℃くらいまで上がり温かい。暖炉奉行の休業も今日で3日になる。この時期に暖炉奉行の失業は珍しい。関東南部は、明日20℃の予想だ。信じられないほどの暖かさに戸惑っている。
 
今日の散歩は、方角を変えてプラリと県道を歩いてみたが、雪解けの水溜まりで車に出会うこともあり、すぐにお隣の別荘地「嬬恋の里」へ逃げ込んだ。
 
ここはプリンスランドに比べるとずいぶん新しい別荘地だと思われる。道路も広く建物も新しいものが多い。立派な管理事務所があり、そこを通り過ぎて奥へ進むと「浅間クリーク」という名前で新しく開発された別荘地になっている。そこから浅間山を見ることが出来るが、随分近くに見える場所だ。ぐるっと一回りしてみたが、ここの区画は300坪以上と広い。大きな区画は450坪というのもある。
 
誰一人出会わない静かな別荘地は気持ちがいい。突然大きな鳥が飛び立ち、高い枝にとまった。
サギの種類だ。ここには釣り池があるので、何か魚を狙っているのだろう。口笛をピーと吹いてみた。2~3度羽を広げて応えたが、そのうちさっと飛び立ち、姿を消した。
 
森の中には、落雷に遭ったかのように折れてしまった木もある。雪に覆われた景色を見る限り、春はまだ遠い感じがする。いつの日以来か忘れてしまったが、今夜は氷点下にならない予想だ。
 
家の近くまで帰って来たとき、突然、ザザーというけたたましい音に驚いた。
近くの別荘の屋根から雪が落下した音だった。一気に屋根の雪は消えてなくなっている。まったく下にいたら大変なことになるだろう。
2月も残りわずかとなった。3月になると春は近い。
 

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