「最後は緑豊かな自然の中で心豊かに暮らしたい」という妻に従う形で移住生活を始めた場所は、活火山浅間山北麓に位置する標高１１００ｍを超える厳寒の地。 北軽井沢スウィートグラスというキャンプ場で働きながら最後の人生を謳歌している。一人の老人が経験する出来事をそのまま書き記していきたい。
１１月もついに最終日となった。
スウィートグラスは、明日から3日間クローズとなり、いよいよ「ホワイトシーズン」に入る。一足早く積雪２０センチを記録したスウィートグラスの雪は、ホワイトシーズン突入にふさわしい景色を見せ、折しも、私たちはクリスマスツリーの飾り付けに大わらわ。
一度は冬眠すると言って高崎に帰っていたY夫妻の号令で、私は、ツリーの飾り付けに参加した。クリスマスツリーは、イベントハウスに一つ、管理棟前に一つ、そしてフードショップ横のハーブ園の中に一つと合計３か所に作られる。
今日は完成とはいかなかったものの、基本となる飾り付けは完了した。
昼間は暖かく感じていても、午後になると急に冷えてくるのがこのあたりの特徴だ。
かじかむ手をこすりながらの作業も、和気あいあいと交わす会話で気にすることはない。
そして、明日は全社をあげての忘年会がある。
いよいよ師走。世の中はいろいろと気ぜわしい時期になるが、ほとんどそんなことを感じなくなっている自分が嬉しい。明日は口を封じて、いい酒を飲もう。
ありがたい話だが、この時期にこれだけの来訪者がいるとは、驚きだ。
しかも、この雪の中でのテント生活。初めてこの光景を見たときは仰天したものだった。
しかし、今ではもうこれは常識。まったく恐れ入る。
サンタクロースもそろそろ煙突へ這い上がる練習をしているようだ。
スウィートグラスでは、クリスマスの準備が着々と進められている。
今朝は青空が出て明るく気持ちのいい朝だった。
しかし、気温の割には風があったので寒く感じた。
昨夜は雨が降ったようだ。雪の融け具合で分かる。
残った雪は、がりがりに凍りついている。
午後3時過ぎ、パノラマラインを通ってつつじの湯へ向かった。
パノラマラインから見る浅間山は、この冬初めての白い山。
しかも、風があり、もくもくと白い噴煙を出していた。
気温マイナス1℃、風が冷たいので5℃くらい低く感じる。
手がかじかむ経験はこの冬初めてのこと。
振り返ると、反対側の四阿山は雲の中、東側の山には雪はない。
真っ白いキャベツ畑に白い浅間山とは対照的だ。
2連休の2日目、つつじの湯は人もまばら。
ゆっくりと温泉を楽しんだ。
昨日降った初雪、今朝はいきなり除雪車が出動するほどの積雪となった。
デッキのテーブルの上を測ると１７センチ。これは予想外だった。
予報では、朝方は雨に変わるとなっていたので、せっかくの雪も、あっという間に消えてしまうと考えていた。今日は休日のため8時まで朝寝坊したが、起きてびっくり、妻は玄関から車までの雪掻きは済んだと涼しい顔だった。
そして、ちょうどその時除雪車がやってきた。
軽井沢のツルヤは、雪のためかいつもより客は少なく、楽に買い物ができた。
久しぶりの雪景色に、わくわくするような気持ちになったが、この調子でどんどん降られると、筋肉痛になりそう。最初からこの量はめったにないこと。
やはり初雪が遅かったせいかもしれない。この冬は何か積雪が多いような予感がする。
帰宅してのランチは、キノコうどん。冷凍して保存していたハナイグチはこれで終わりと妻は言う。エビシュウマイとナスの煮物、ゆで卵を入れて春菊をのせ、美味しいランチとなった。
