予報によると昼頃から雪になるという。
曇り空の中出勤する。今朝の気温は氷点下2℃。ここでは驚くような気温ではなく、さほど寒さも感じなかった。浅間山は雲に隠れ、辺りは雪雲のような気がした。
女性スタッフが作ったクリスマスリースを47の施設とトイレ、炊事場に飾り付けて回っていると少し風が出てきて小雪が舞い急に寒くなってきた。
そして、帰宅する頃には、辺りはうっすらと雪化粧となり、帰宅するスタッフたちは、首をすくめて足早に歩いていた。あと一月でクリスマス。いよいよ厳寒の地での冬生活が始まる。
「最後は緑豊かな自然の中で心豊かに暮らしたい」という妻に従う形で移住生活を始めた場所は、活火山浅間山北麓に位置する標高1100mを超える厳寒の地。 北軽井沢スウィートグラスというキャンプ場で働きながら最後の人生を謳歌している。一人の老人が経験する出来事をそのまま書き記していきたい。
予報によると昼頃から雪になるという。
曇り空の中出勤する。今朝の気温は氷点下2℃。ここでは驚くような気温ではなく、さほど寒さも感じなかった。浅間山は雲に隠れ、辺りは雪雲のような気がした。
女性スタッフが作ったクリスマスリースを47の施設とトイレ、炊事場に飾り付けて回っていると少し風が出てきて小雪が舞い急に寒くなってきた。
そして、帰宅する頃には、辺りはうっすらと雪化粧となり、帰宅するスタッフたちは、首をすくめて足早に歩いていた。あと一月でクリスマス。いよいよ厳寒の地での冬生活が始まる。
暖かい日が続く。
今年最後の連休も終わり、さすがにスウィートグラスも来場者は少なくなった。
今朝は広いYサイトに、テント客が2組。
白っぽいおとなしそうな大型犬が一匹、静かに座っていた。
犬にだけ聞こえるように、小さな音で口笛を吹いてこちらを向かせシャッターを切った。
犬は「なんだ写真?」と怪訝そうな顔。
「何を見てたの?」と問いかけてみた。
「ここに来たら、浅間に決まってるでしょ」
「もっと寒いかと思っていたけど、暖かいね」
「でも、週末にはどうやら雪らしいよ」
「雪?・・じゃ、また週末に来たくなった」
「よく頼んで、連れてきてもらいなよ」
しかし、午後からは北風が吹き、急に寒くなった。
明日の予報は雨だったが、雪に変わった。
いよいよ雪が降る。
我が家では、部屋の中から見る風景は西側になる。
西側の森の向こうから霧が湧いて出るように迫ってくることがある。
この時期の霧は珍しい。気温もそれほど低くならず生ぬるい感じで、何かしゃきっとしないこの頃だ。この時期は、やはりピリッと寒いくらいがいい。
今年最後の連休で、スウィートグラスはにぎわった。
しかし、雨はそれほど降らなかったが、曇り空で浅間山も見えず残念だった。
そんな中、リピーターですっかり仲良くなったTさんが自分で作ったというサツマイモの
焼きいもをいただいた。キャンプ場で火をおこして焼いた焼きいもだ。
仕事中なので、妻のお土産にいただいて帰った。
同僚の女性スタッフは、クリスマスリースの製作に忙しい。
自然の素材を使ったスウィートグラスのクリスマスリースには定評がある。
そして、今年はまた違ったアイディアが潜んでいる。
50以上も作らなければならないリース作りは、毎年の恒例行事だが、何事も手作りをモットーにしているスウィートグラスならではのリースである。
リンゴを求めて須坂へと向かったが、信州須坂は、長野県の北東部に位置し、峰の原高原、米子大瀑布、五味池破風高原など豊かな自然に恵まれ、市街地には「蔵の街並み」や、市民の憩いの場「臥竜公園」など、訪れる人の心和むところだ。
妻は、豪商の館田中本家の見学を、私は一度娘夫婦と見学したことがあるので、近くを散歩することにした。この辺りでは柿の木をよく見かける。渋柿なのか収穫されることなく、そのまま熟れた実が残っている風景は風情があっていい。
妻と別れて田中本家の駐車場横を入っていくと、「古寺を巡る石畳の散歩道」という小さな案内板に出会った。
重厚な黒門をくぐると参道に五カ寺が立ち並ぶ寺町となる。表通りから一転して石畳の小路の静寂は、小京都の雰囲気を漂わせる寺屋敷路の風情があります・・・・古くなった案内板の文字は読みにくい。しかし、何とか読み続けると、白梅の古木や桜、秋には大イチョウが見事な黄葉を見せてくれるという。
私はゆっくりと歩き始めた。門の横にはやはり柿の木があった。石畳を進むと古い寺が
次々に現れ、裏道には飛び石が形を変えて敷かれていた。
その後、ついでに臥竜公園へも寄ってみた。池の周りには桜の古木がずらっと並んでいて、春には素敵な光景が見られるに違いないと、妻と来春の景色を想像した。
この須坂をもう少し進むと、信州の小京都とも言われる小布施があるが、この辺りは日本古来の生活がそのまま残されているような雰囲気があり、しっとりと落ち着いた街並みは心を癒されるものが潜んでいる。
帰路、豪商の館田中本家を見学した妻は、車中でその感想を興奮気味に語り続ける。
曇り空、霧に阻まれながら進んだ山道、りんご直売所、おやきの店、高山亭でのランチ、豪商の館田中本家、古寺を巡る石畳の散歩道、・・・須坂へのドライブは、久しぶりに有意義なものとなり、来春桜を巡る希望の火が灯った。
話は昨日の続きで、ブロ友Sちゃんがいつも買いに行くというリンゴ直売場。
そこには「さわやかりんご」と書かれた看板や幟が目につく。
この「さわやかりんご」とは、メス害虫の出す求愛の匂いを使って農薬使用量を減らしたりんごのことを言うらしい。その方法は、人工フェロモンを枝に吊るし、この匂いをリンゴ園に漂わせることによって、オス害虫との交信を錯乱し交尾、繁殖を抑え農薬の使用量を減らす防除方法。平成3年から取り組んだこの減農薬栽培リンゴをオリジナル商品として「信州高山さわやかりんご」と名付けたという。
毎日食べるリンゴが減農薬栽培リンゴならいうことはないのはもちろんのこと、加えて、自宅で食べるものなら、多少のいびつな形や大きさなどにこだわることはない。
安価に手に入れるのに、片道1時間のドライブは楽しいひと時に違いない。
しかも、9月サンつがる・紅玉、10月紅玉・秋映・シナノスイート・シナノゴールド・陽光11月王林・サンふじ12月サンふじ・・・と、4か月にわたって、種類の違うリンゴが手に入るならたいへんありがたい話である。
帰路、妻はすぐ近くの「自家製おやき」の店を発見、同年代の女性が手作りしたおやきを買った。道中で食べたこのおやきがとても美味しく、もっと買えばよかったと話す。
そして、ランチはこれもすぐ近くにあった「高山亭」の新そばの幟に誘われて停車した。
高山村だからタカヤマテイかと思ったら「高山亭」はなぜかコウザンテイと読む。
妻はザルそばに天ぷらと焚きご飯のランチ。私はお腹がペコペコで眼が血走り「景虎」をオーダーした。私たちは、このそばが有名なところに来ても、ほとんどそばを食べないが、ここのそばは旨い、と笑顔で顔を見合わせた。まあ、私の旨い、はあてにならないが、妻が旨いと満足顔になったのだから間違いはないだろう。
来年からは9月から毎月ここにきて、リンゴ、おやきを買い、高山亭でそばを食べようということになった。
世の中は、今日から3連休。スウィートグラスは久しぶりに来場者が多く、宿泊客は136組。忙しい一日だった。