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もう遠い昔の思い出になるが、父の事業の後を継いだため、とうとう最後まで他人様の釜の飯は経験しなかった。昭和30年代後半から40年にかけて、学生生活を送っていたが、長い夏休みになる前には、「繁忙すぐ帰れ」の電報が来る。送り主は父で、それは当然のことに思っていたので、急いで帰宅したものだった。しかし、当時百貨店などでアルバイトをする友人たちがとてもうらやましかった。どこか別の違った場所で働いてみたいという願望が強くあったが、そのころの家庭の事情はそれが許されなかった。長い間そのことが胸の中にあったのかもしれないが、今日はその未経験の仕事第一日目。

昨日、軽井沢の店で実際に指導してくれたのは、70歳になるUさんだった。
彼は、何年か前に肺癌の手術を受け、現在は片肺なので根気が続かないと話していた。しかし、その働く姿はとても素晴らしく、感動ものだった。
この仕事は、スキーとスノーボードのレンタルで、借りる人の靴の大きさを聞きそれを出して履いてもらう。その後その靴をスキーの板にセットし、体重を聞き調節する。28年前から営業しているというこの店にはいろいろなスキーのタイプがあり、靴をセットするにも力がいる。要領がわかってくると力はいらないと言うが、Uさんはいとも簡単にそれをこなしている。
そしてスノーボードは、板が一枚であるため、右利きの人は左足が前になり、左利きの人は右足が前になる。右利き用がレギュラー、左利き用がグーヒーというが、ほとんどの板はレギュラーにセットしてあるので、グーヒーの人が来たときは付け替えることになる。その特訓を受けたのだが、左足は30度に、右足は5度にセットする。

その後、レンタル料金の話し、伝票の書き方など半日で全てを学んだが、夢でも見たのだろう、大きな声で寝言を言っていたと妻は笑う。そして、ここに来てまで弁当を作るとは考えてもいなかったと言いながら、久々の愛妻弁当を作ってくれた。
今日から行く店は、プリンスランドから鬼押しハイウエーを経由して国道144号を右折し、吾妻川を渡ると、ほどなく右手にある。軽井沢での特訓の後、この店で若い社長の息子さんに、再度特訓を受けたのでのみこんでいるつもりだが、いきなり一人でやることになったのだから、心が落ち着かないのはしかたないかもしれない。

この場所は、以前はとても忙しく繁盛していたが、上信越自動車道ができ、軽井沢へ高速道路で行けるようになってから客足が遠のいたらしい。今では6店舗の中で最も来客の少ない店になっている。営業時間は8時からスタートで、初日の今日は、開店前からもし人が来るようなことがあったらと、少し早めに出かけたがその心配は徒労だった。しかし、8時半ころ、大きなワゴン車で2家族6人がやってきた。大人4人、子供2人。しかもスキーウエアも借りたいという。6人も一度に来られ、ウエアまでというから頭はパニック状態。ウエアは事務所の裏にある別棟にいかなくてはならないし、どの箱に女性ものがあるのか、覚えていなかった。

一旦外に出て、社長に電話をし、心を落ち着けて一人ひとり身長や靴の大きさを訪ねて書き込んで行くうちに落ち着いてきた。スキーを借りるには手順があって時間がかかることは来客もわかっているようだった。冷や汗もので作業を終え「行ってらっしゃい」と送り出してからドット疲れが出てしまった。
そして、どれほど時間が経過したかほとんど記憶にない。
それにしても初日の客は、結局この6人だけとなったのだから、後で笑ってしまったが、すぐにお金の計算をし、社長の気持ちになって考えると、せめてあと4人くらい客が来ないかと祈るような気持ちになっていた。

というわけで初日は、なんとかクリアできた。明日から正月3日まで店を開けるが、一人でもたくさんの来客を期待している。しかし、どうか一度に押しかけてこないで、と祈るばかり。

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