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この地へ移住してきて13回目の春を迎えている。

最初の春に生まれて初めて見たフキノトウに感動したことが、つい最近のように思い出されるが、以来、春が来るたびに山菜に夢中になっていった。

新緑がこんなに新鮮で美しいと感じたのも生まれて初めての出来事だった。

そして毎年生まれて初めてがどんどん増えていったが、今はもう生まれて初めては、ほとんどなくなった。13年の年月を経て経験が重なりずいぶんいろんなことが分かってきた。しかし、今でもここの春に見る木々や草花の新緑は感動ものである。

 

休日の今日、軽井沢ツルヤへ買い物に行った。ツルヤはまだ連休の名残があって客は多めだった。家人は道中に咲く桜に声を上げ、つづら折りの道を曲がるごとに木々の緑に感動するのであった。

午後からは雨になり空はどんよりと曇っていた。

つつじの湯へ行く道中、いつもの場所からは浅間山は見えなかったが、反対側の景色に目を見張るものがあった。植えられたばかりのキャベツ畑に白い桜の木が一本あり、その後ろには見事なカラマツの山が美しい緑色を見せていた。天気が良く光があれば、もっといい写真が撮れたと思う。明日もう一度撮りたいという衝撃に駆られているが、白いサクラは今日の雨でずいぶん散ったに違いない。

 

3、4、5月が春だが、ここでは5月になってやっと春が来た感じだ。

今、星空の虜になっている。輝く星の中に「春の大三角形」をつくる3つの星があるが、

季節と共にやがて姿を消し、次に現れる夏の大三角形にあとを譲る。

この地での春は雨も降るし雪も降る。コブシが一番に咲くが、それでもまだまだ寒い日が続く。そして5月になって桜が咲き始めるのだ。

出会いと別れの春は、毎年繰り返しやって来るが、気温の低いここでは春ほど待ち遠しい季節はない。